あべ小児歯科通信

当院から毎月発行される「あべ小児歯科通信」です。治療のエピソードなどを掲載しています。

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あべ小児歯科通信

あべ小児歯科通信 2017年9月号

あべ小児歯科通信 2017年

9月号

No.159

TEL 35-8640

 

この度、10年間お世話になったあべ小児歯科を退職することとなりました。

沢山の子供たちに出会い、最初は泣いていた子が上手に治療できるようになったり、泣きながらも頑張る姿を側で見守れた事嬉しく思います(^○^)

保護者の皆様にもいろいろとご協力頂き本当にありがとうございました。またどこかで見かけたら気軽に声をかけて下さいね(^▽^)                         (手嶋 知子)

 

◆Q&A◆

Q.生後2ヶ月半の男の子ですが、口腔内の衛生とこれから生えてくる乳歯の為に、舌と歯茎を濡れガーゼで11回は拭いた方が良いと聞きました。完全母乳で育てていますが、すぐ必要なケアでしょうか?

A.乳歯が生え始めるのは通常生後68ヶ月頃です。

歯が生えるまでは積極的な歯磨きは必要ありませんが、生えてきたからと急に歯磨きをしようとしても赤ちゃんが上手く歯ブラシを受け入れて磨かせてくれるとは限りません。

歯が生える前から、寝かせた状態で口の周囲に触れられる事に慣らしておきましょう。

乳歯が生える前から顔や口の周囲に触れられる事に慣れるよう、遊びや体操などで、スキンシップを図ります。機嫌の良い時に、膝の上に寝かせて手足のマッサージや、顔のマッサージをしながら口の周囲に触れていきます。

口の周囲を嫌がらなくなったら、保護者のきれいな指で口の中を触ってあげます。指に湿らせたガーゼを巻いて歯茎や舌の表面を軽く拭いてあげても良いでしょう。

必ず毎日行わなければならないノルマと思わず、お母さんの気持ちや時間に余裕のある時に、親子のスキンシップの一環としてお口ケアをするという程度で良いでしょう。

手足のマッサージをしたり、顔や口の周りをマッサージしたり、顔や口の周りをマッサージしたり、赤ちゃんがリラックスしてきたところで行いましょう。

但し乾いたガーゼなどで強くこすると、舌の表面が傷ついてかえって汚れが溜まりやすくなる事もあるので、気を付けて下さい。

最初は清潔にしたお母さんの指で触ってあげる事から始めても良いと思います。

前歯がしっかり生えてきたら歯ブラシを使い始めましょう。

 

♪♪♪エピソード♪♪♪〈治療が終わった6歳の女の子と3歳の男の子の話〉

終わった後も魚釣りゲームが楽しくてしばらく遊んでいた男の子と付き添いのお母さん

すると外はすごい雨に…。

男の子「やったー!つれた~♪」

お母さん「お~!上手~!」

2人盛り上がっていると…

女の子「お母さん、雨すごいから早くお家に帰らないとだめだよー」

お母さん「はい!帰りますっ(笑)」

大人なお姉ちゃんの発言に笑ってしまったお母さんとスタッフなのでした。

 

 

あべ小児歯科通信 2017年8月号

あべ小児歯科通信 2017年

8月号

No.158

TEL 35-8640

 

厳しい暑さが続きますね。花火大会やお祭りなどイベントが沢山ありますが水分補給をしっかりして、残りの夏を満喫しましょう(^○^)

 

◆Q&A◆

Q.「食後すぐの歯磨きは歯をすり減らす危険があるので、食後30分経ってから歯磨きをした方が良い。」という話を聞きましたが、本当でしょうか?

A.食後すぐの歯磨きが歯をすり減らすのは「酸蝕症」の為で、虫歯とは違います。

「酸蝕症」は強い酸が直接歯に作用して脱灰が起こるものです。強い酸が作用した後、すぐに強い力で歯を磨くと、歯のすり減りが起こる危険があるというわけです。

ただし、子供が通常の食事で摂る程度の酸は、酸の刺激で唾液の分泌も高まる為、唾液の中和作用や緩衝作用で酸は解消しやすいと言えます。

一般的な食事では、歯磨きで歯が溶ける事は、まずありえないでしょう。それより食後歯磨きをしないでいると、細菌が糖から酸を作って歯の脱灰を引き起こします。

通常は、酸の刺激で唾液の分泌が高まる為、酸が歯の表面に働く時間は短いのですが酸性飲料を頻繁に摂取したり、哺乳瓶で飲んだり、寝る前に飲んでそのまま眠ってしまったりすると、酸が働く時間が長くなって脱灰が起こりやすくなります。

また飲料に含まれる糖分が歯の表面のプラークの取り込まれる事でプラークの中の細菌による酸産生が起こり、これによっても脱灰が起こります。

脱灰したエナメル質は、酸の産生が止まって唾液の働きなどで酸が解消すると、唾液中のカルシウムなどを再吸収して元の状態に戻ろうとします(再石灰化)。

このように、酸が解消して再石灰化する時間が確保されれば問題はないのですが、酸から作られ続けて脱灰が進行すると、歯はもろくなって強い力が加わると崩れて穴が開いてしまいます。

酸性飲料は、頻繁に飲んでいると、酸によって歯が全体的に溶けやすくなるばかりでなく、飲料の中の糖分がプラークにしみ込んで虫歯を作ってしまいますので要注意です。

虫歯予防の為には、やはり食後の歯磨きが効果的であると考えられます。

 

♪♪♪エピソード♪♪♪〈3歳の女の子の話〉

4歳の女の子が治療が終わって元気よく「ありがとうございました。」と挨拶をして診察室を出て行きました。

それを見ていた3歳の女の子のお母さんが

お母さん「すご~い。ちゃんとあいさつが出来てるね(^o^)」と感心して言いました。

すると診療チェアーに寝ていた3歳の女の子がむくっと起き上がり

女の子「ありがとうございました。」と元気よく挨拶。

お母さん「まだ治療終わってないよ~。」と慌てて止めました。

その元気いっぱいの声に皆は大笑い。和んだひと時でした(´▽)

あべ小児歯科通信 2017年7月号

あべ小児歯科通信 2017年

7月号

No.157

TEL 35-8640

 

 

◆Q&A◆

Q.2歳の女の子ですが、体調不良の時に脱水予防でスポーツドリンクを飲ませたら、お水や麦茶を飲みたがらず、スポーツドリンクばかり欲しがります。

ヨーグルト飲料も好きです。これらは虫歯になりやすいでしょうか?

A.市販のスポーツドリンクやヨーグルト飲料は、そのほとんどが、pH4.0以下の酸性の飲料であり、かなり糖分も含まれています。

酸性の飲料を頻繁に飲んだり、哺乳瓶などで飲んでいると、歯の表面に酸が働く時間が長くなり、酸で歯が溶けやすくなります(酸蝕症)。

また、飲料に含まれている糖分が虫歯菌によって分解されても酸が作られ、虫歯の原因になります。

酸性飲料を水代わりに頻繁に飲んだり、哺乳瓶で飲んだり、寝る前に飲んでそのまま寝てしまったりすると、虫歯や酸蝕症が起こりやすくなるので気を付けましょう。

固形のヨーグルトもpHはヨーグルト飲料と同様に低いのですが、食べる際にかたまりを舌で押しつぶして飲み込むので歯の表面に酸が働く時間は短めです。

また無糖のヨーグルトを果物にかけたりしたものは、おやつとしても適しています。

炭酸飲料、乳酸飲料、スポーツドリンク(イオン飲料)などの市販の飲料の多くは、pH4.0以下の酸性の飲料です。オレンジジュースやリンゴジュースも酸性です。

歯の表層のエナメル質は身体の中で最も硬い組織ですが、酸には弱く、pH5.4以下で脱灰(歯からカルシウムやリンなどのミネラル成分が溶け出す事)が起こってしまいます。

酸性飲料は、とり方に気を付けたいものです。頻繁に飲んでいると、酸によって歯が全体に溶けやすくなるばかりではなく、飲料の中の糖分がプラークにしみ込んで虫歯を作ってしまいますので要注意です。

11回、おやつの時に与える程度でしたらそれほど問題はないと思いますが、のどが渇いた時に水代わりに与える事は、酸蝕症と虫歯の両方のリスクを高めますので、欲しがるからと安易に与える事は避けましょう。

 

♪♪♪エピソード♪♪♪〈2歳の男の子の話〉

2歳の男の子、まだ診療室に呼ばれる前にすでに待合室で泣いている様子。

男の子「ママがいい、ママがいい、ママがいい」

スタッフ「○○くんどうぞ」

スタッフに呼ばれてママと一緒に診療室に入って来ると、

男の子「じーじ、じーじ、じーじがいい。」

ママ「えっ…。さっきまでママがいいだったのに…。

ちょっぴりショックなママでした。

ママもじーじも大好きなんだね。