あべ小児歯科通信

当院から毎月発行される「あべ小児歯科通信」です。治療のエピソードなどを掲載しています。

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あべ小児歯科通信

あべ小児歯科通信 2017年8月号

あべ小児歯科通信 2017年

8月号

No.158

TEL 35-8640

 

厳しい暑さが続きますね。花火大会やお祭りなどイベントが沢山ありますが水分補給をしっかりして、残りの夏を満喫しましょう(^○^)

 

◆Q&A◆

Q.「食後すぐの歯磨きは歯をすり減らす危険があるので、食後30分経ってから歯磨きをした方が良い。」という話を聞きましたが、本当でしょうか?

A.食後すぐの歯磨きが歯をすり減らすのは「酸蝕症」の為で、虫歯とは違います。

「酸蝕症」は強い酸が直接歯に作用して脱灰が起こるものです。強い酸が作用した後、すぐに強い力で歯を磨くと、歯のすり減りが起こる危険があるというわけです。

ただし、子供が通常の食事で摂る程度の酸は、酸の刺激で唾液の分泌も高まる為、唾液の中和作用や緩衝作用で酸は解消しやすいと言えます。

一般的な食事では、歯磨きで歯が溶ける事は、まずありえないでしょう。それより食後歯磨きをしないでいると、細菌が糖から酸を作って歯の脱灰を引き起こします。

通常は、酸の刺激で唾液の分泌が高まる為、酸が歯の表面に働く時間は短いのですが酸性飲料を頻繁に摂取したり、哺乳瓶で飲んだり、寝る前に飲んでそのまま眠ってしまったりすると、酸が働く時間が長くなって脱灰が起こりやすくなります。

また飲料に含まれる糖分が歯の表面のプラークの取り込まれる事でプラークの中の細菌による酸産生が起こり、これによっても脱灰が起こります。

脱灰したエナメル質は、酸の産生が止まって唾液の働きなどで酸が解消すると、唾液中のカルシウムなどを再吸収して元の状態に戻ろうとします(再石灰化)。

このように、酸が解消して再石灰化する時間が確保されれば問題はないのですが、酸から作られ続けて脱灰が進行すると、歯はもろくなって強い力が加わると崩れて穴が開いてしまいます。

酸性飲料は、頻繁に飲んでいると、酸によって歯が全体的に溶けやすくなるばかりでなく、飲料の中の糖分がプラークにしみ込んで虫歯を作ってしまいますので要注意です。

虫歯予防の為には、やはり食後の歯磨きが効果的であると考えられます。

 

♪♪♪エピソード♪♪♪〈3歳の女の子の話〉

4歳の女の子が治療が終わって元気よく「ありがとうございました。」と挨拶をして診察室を出て行きました。

それを見ていた3歳の女の子のお母さんが

お母さん「すご~い。ちゃんとあいさつが出来てるね(^o^)」と感心して言いました。

すると診療チェアーに寝ていた3歳の女の子がむくっと起き上がり

女の子「ありがとうございました。」と元気よく挨拶。

お母さん「まだ治療終わってないよ~。」と慌てて止めました。

その元気いっぱいの声に皆は大笑い。和んだひと時でした(´▽)

あべ小児歯科通信 2017年7月号

あべ小児歯科通信 2017年

7月号

No.157

TEL 35-8640

 

 

◆Q&A◆

Q.2歳の女の子ですが、体調不良の時に脱水予防でスポーツドリンクを飲ませたら、お水や麦茶を飲みたがらず、スポーツドリンクばかり欲しがります。

ヨーグルト飲料も好きです。これらは虫歯になりやすいでしょうか?

A.市販のスポーツドリンクやヨーグルト飲料は、そのほとんどが、pH4.0以下の酸性の飲料であり、かなり糖分も含まれています。

酸性の飲料を頻繁に飲んだり、哺乳瓶などで飲んでいると、歯の表面に酸が働く時間が長くなり、酸で歯が溶けやすくなります(酸蝕症)。

また、飲料に含まれている糖分が虫歯菌によって分解されても酸が作られ、虫歯の原因になります。

酸性飲料を水代わりに頻繁に飲んだり、哺乳瓶で飲んだり、寝る前に飲んでそのまま寝てしまったりすると、虫歯や酸蝕症が起こりやすくなるので気を付けましょう。

固形のヨーグルトもpHはヨーグルト飲料と同様に低いのですが、食べる際にかたまりを舌で押しつぶして飲み込むので歯の表面に酸が働く時間は短めです。

また無糖のヨーグルトを果物にかけたりしたものは、おやつとしても適しています。

炭酸飲料、乳酸飲料、スポーツドリンク(イオン飲料)などの市販の飲料の多くは、pH4.0以下の酸性の飲料です。オレンジジュースやリンゴジュースも酸性です。

歯の表層のエナメル質は身体の中で最も硬い組織ですが、酸には弱く、pH5.4以下で脱灰(歯からカルシウムやリンなどのミネラル成分が溶け出す事)が起こってしまいます。

酸性飲料は、とり方に気を付けたいものです。頻繁に飲んでいると、酸によって歯が全体に溶けやすくなるばかりではなく、飲料の中の糖分がプラークにしみ込んで虫歯を作ってしまいますので要注意です。

11回、おやつの時に与える程度でしたらそれほど問題はないと思いますが、のどが渇いた時に水代わりに与える事は、酸蝕症と虫歯の両方のリスクを高めますので、欲しがるからと安易に与える事は避けましょう。

 

♪♪♪エピソード♪♪♪〈2歳の男の子の話〉

2歳の男の子、まだ診療室に呼ばれる前にすでに待合室で泣いている様子。

男の子「ママがいい、ママがいい、ママがいい」

スタッフ「○○くんどうぞ」

スタッフに呼ばれてママと一緒に診療室に入って来ると、

男の子「じーじ、じーじ、じーじがいい。」

ママ「えっ…。さっきまでママがいいだったのに…。

ちょっぴりショックなママでした。

ママもじーじも大好きなんだね。

あべ小児歯科通信 2017年6月号

あべ小児歯科通信 2017年

6月号

No.156

TEL 35-8640

 

梅雨の季節になり、じめじめとした日が続きますね。雨が降り、気分も沈みがちな6月、今の夏のカラッとした青空が待ち遠しいですね(^▽^)

 

◆Q&A◆

Q.虫歯は親から子にうつるのでしょうか?虫歯菌の感染や予防のために大人が口を付けたものは与えないようにすべきでしょうか?

A.虫歯菌をはじめとした口の中の細菌は出生後も生活の中で、身近な大人から主に唾液を介して伝播されます。

虫歯菌は、一番身近で食事や世話をする母親から伝播される事が多いのですが、父親や祖父母や保育者、同年代の子供から伝播が起こる事もあるでしょう。

あまり気にしすぎると、子供とのスキンシップも少なくなって、子供が疎外感を持ってしまうかもしれません。また一緒の食事を楽しむ雰囲気が損なわれるかもしれません。

周囲の人達が口腔ケア(歯磨きなど)をきちんと行っていれば、唾液中の菌も少なくなるため、虫歯菌の伝播の機会も少なくなります。

虫歯菌の伝播を避ければ確かに虫歯は防げるかもしれませんが、一般の病原菌の感染予防のように厳密に考えすぎると、日常生活がかなり制限されてしまいます。

口移しで食べ物を与える事や、同じ歯ブラシを使う事は避けた方が良いと思いますが、親と同じ皿の食べ物を与える事まで制限しなくても良いのではないかと思われます。

虫歯菌が口の中に入って来たからといって、すぐに虫歯ができるわけではありません。

砂糖を利用して虫歯菌は菌の表面に定着し(歯垢としてくっつき)、食物中の糖分が歯垢に取り込まれると虫歯菌が糖分を分解して酸を作り、歯の表面からカルシウムやリンを溶出させます。

この状態が長く続くと虫歯ができてしまいます。純粋な唾液の中に細菌はいませんが、口の中に溜まっているうちに細菌が唾液に混じります。

また、虫歯菌が歯の表面に定着するにも、酸を作って脱灰を起こすにも糖分(特に砂糖)の存在が必要です。糖分摂取のコントロールや親子での口腔ケアをしっかり行って、虫歯予防していきましょう。

 

♪♪♪エピソード♪♪♪〈4歳の女の子の話〉

治療中、怖くて暴れる女の子

スタッフとお母さんで押さえていると…

女の子「足もたんでよ!」

お母さん「暴れるけんでしょ!足が痛いのぐらいがまんしなさい!」

お母さん・スタッフ「あ~そっちか~」

治療もなんとか終わり少し不機嫌な女の子。

お母さん「ごめんね、帰りどっか寄ろうか」

女の子「…うん!許してあげる(^ ^)

親子の微笑ましい会話に癒されたスタッフでした(*^▽^*)